プロボカティブ

寒いけど、まだ雪は降らない。ベルリンでは1cm積もっていた。

夏に思い出す冬のほうが、秋から冬になる変わり目のほうが、
雪の降りしきる冬より冬らしい気がする。

日本のお正月の、こちらのクリスマスの、何もない朝がすきだ。
それを目指して今はご飯を食べて、たくさん寝て、理解できない言葉を聞いているよ。

いつか一緒に誕生日を祝おう。



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ヴィーガン

自分が相手を信用していないのに、
相手に信用されたいなんて思っては居ません。

やるべきことがあって、なにもやっていなくて、
それに対して罪悪感をほとんど持たずにアイドルががむしゃらに踊る姿をインターネットで見る日々、時間。
世界の隙間。

世界の終わりは紅茶を飲みながら静かに待つもの?




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サテハ


モスクワまでは10時間かかる。
モスクワの気温はかなり低い。
モスクワの空港はあたらしい。

わからないことをわかるように伝えるのは難しい。
自分がわからないことを伝えるのは不可能に近い。
自分がわかっていないことをわかりながら、それを悟られまいとして取り繕ってしまう性がかなしい。


三週間は短くて長い。人に会うためだけの休日を何年も何回も続けているなんで贅沢な話だ。
会いたい人に会う仕事があればいいのに。

地面に立っているのに酔っている。あたまグラっとする。



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別居


「さようならば、」

仕方あるまい。別れましょう、さようなら。
離れて暮らすことを良しとする人だっているし、もういろいろ忘れ始めている。
それが、なにひとつ良い結果をもたらさない選択だと分かっていたとしても。

手にとった小説の中で、「わたしは彼と一緒にいるときより、彼と離れている時のほうが彼のことを好きなのだ」という主人公の気づきにハッとした。なるほど、そうだったのか。

一日一日をしっかり暮らすことをいつから放棄しだしたのだろう。
自分は、自己啓発セミナーや宗教にはまりやすい人間だと思うから、催眠術をかけてほしい。
外はまだ暑い。でも、匂いは秋。


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